「うん。姉さんが、厄介なことに巻き込まれているとわかったからね」
トリーア曰く、エーリヒは身のこなしが周囲の人たちとまったく違っていた。だからサージェを追ってきた者ではないかと思って、姉のことを相談したかった。
エーリヒもまた、話を聞ける移民を探していたから、彼を連れて帰ったようだ。
「姉さん、この人たちは本当に、ギルドの特別依頼を受けて、サージェを捕らえにきた人たちだよ。依頼書も見せてくれたし、正式な身分証明書も持っていた」
「え、でも」
弟に諭され、リリンは狼狽えている。
「しっかりしてよ。姉さんのせいで、僕たちは全員、指名手配犯の共犯者にされるところだったんだよ」
「そんな……。ほ、本当に、サージェさんは嘘を?」
いくら魔法で防音しているとはいえ、宿の廊下で立ち話をしているのも迷惑だろう。
とりあえず話は中で聞こうと、クロエはエーリヒに目配せをして、ふたりを部屋の中に招き入れた。
「僕はトリーア。姉はリリンです」
姉弟を並んで椅子に座らせ、クロエはエーリヒと反対側に座る。
すると、トリーアはそう名乗って頭を下げた。
「この度は、姉がご迷惑をお掛けしてしまい、大変申し訳ございません」
子どもに頭を下げられて、クロエは慌てる。
「あなたが悪いわけではないから、顔を上げて?」
「ですが、すべての責任は、姉に」
「違うわ。悪いのは、人を騙して逃亡しているサージェよ」
クロエは同意を求めるように、エーリヒを見上げた。
「そうでしょう?」
トリーア曰く、エーリヒは身のこなしが周囲の人たちとまったく違っていた。だからサージェを追ってきた者ではないかと思って、姉のことを相談したかった。
エーリヒもまた、話を聞ける移民を探していたから、彼を連れて帰ったようだ。
「姉さん、この人たちは本当に、ギルドの特別依頼を受けて、サージェを捕らえにきた人たちだよ。依頼書も見せてくれたし、正式な身分証明書も持っていた」
「え、でも」
弟に諭され、リリンは狼狽えている。
「しっかりしてよ。姉さんのせいで、僕たちは全員、指名手配犯の共犯者にされるところだったんだよ」
「そんな……。ほ、本当に、サージェさんは嘘を?」
いくら魔法で防音しているとはいえ、宿の廊下で立ち話をしているのも迷惑だろう。
とりあえず話は中で聞こうと、クロエはエーリヒに目配せをして、ふたりを部屋の中に招き入れた。
「僕はトリーア。姉はリリンです」
姉弟を並んで椅子に座らせ、クロエはエーリヒと反対側に座る。
すると、トリーアはそう名乗って頭を下げた。
「この度は、姉がご迷惑をお掛けしてしまい、大変申し訳ございません」
子どもに頭を下げられて、クロエは慌てる。
「あなたが悪いわけではないから、顔を上げて?」
「ですが、すべての責任は、姉に」
「違うわ。悪いのは、人を騙して逃亡しているサージェよ」
クロエは同意を求めるように、エーリヒを見上げた。
「そうでしょう?」


