その声から察するに、クロエとそんなに年も変わらないだろう。
「あなたを迎えに行きたいけれど、見つかると貴族たちに捕まってしまうから、連れてきてほしいって頼まれたんだ。あの人のところまで、わたしがちゃんと案内してあげるから」
リリンと名乗った彼女は、必死だった。
サージェの嘘に騙されて、酷い目に合った彼のために、その恋人を連れて行ってあげたいと思ったのだろう。
事前にエーリヒから聞いていたとはいえ、あらためて勝手に恋人を名乗っている話を聞くと寒気がする。
「人違いのようですよ? 私の恋人は、魔物退治で名を上げている剣士。貴族でもそう簡単に手を出せる人じゃないわ」
「剣士? じゃあ、あれも本当のことだったの?」
「……あれって?」
どうせまた、碌な話ではない。
聞きたくない気持ちが強いが、聞かなくては話が進まないと、クロエは嫌悪感を抑え込んでそう尋ねる。
「恋人のために何もかも捨てたのに、彼女は身分と相手の容姿に目が眩んで、簡単に乗り換えた。そう言っていたのよ」
「……勝手なことばかり、言わないで」
責めるような口調でそう言われ、彼女は騙されているだけだとわかっているのに、苛立ったような声で言葉を返してしまう。
「私の恋人は最初からエーリヒだけ。事実無根な噂を流されて、迷惑しているの」
「そうやって自分を正当化して、サージェさんを切り捨てるのね」
どうやら彼女も、サージェほどではないが、思い込みが強いようだ。
クロエは冷静になろうと、一度深呼吸をする。
「あなたは、彼に騙されているのよ」
「あなたを迎えに行きたいけれど、見つかると貴族たちに捕まってしまうから、連れてきてほしいって頼まれたんだ。あの人のところまで、わたしがちゃんと案内してあげるから」
リリンと名乗った彼女は、必死だった。
サージェの嘘に騙されて、酷い目に合った彼のために、その恋人を連れて行ってあげたいと思ったのだろう。
事前にエーリヒから聞いていたとはいえ、あらためて勝手に恋人を名乗っている話を聞くと寒気がする。
「人違いのようですよ? 私の恋人は、魔物退治で名を上げている剣士。貴族でもそう簡単に手を出せる人じゃないわ」
「剣士? じゃあ、あれも本当のことだったの?」
「……あれって?」
どうせまた、碌な話ではない。
聞きたくない気持ちが強いが、聞かなくては話が進まないと、クロエは嫌悪感を抑え込んでそう尋ねる。
「恋人のために何もかも捨てたのに、彼女は身分と相手の容姿に目が眩んで、簡単に乗り換えた。そう言っていたのよ」
「……勝手なことばかり、言わないで」
責めるような口調でそう言われ、彼女は騙されているだけだとわかっているのに、苛立ったような声で言葉を返してしまう。
「私の恋人は最初からエーリヒだけ。事実無根な噂を流されて、迷惑しているの」
「そうやって自分を正当化して、サージェさんを切り捨てるのね」
どうやら彼女も、サージェほどではないが、思い込みが強いようだ。
クロエは冷静になろうと、一度深呼吸をする。
「あなたは、彼に騙されているのよ」


