エーリヒだったからよかったものの、もしサージェを追っていたのが他の冒険者や父の部下の騎士だったりしたら、共犯として全員が投獄されたかもしれないのだ。
(きっと、そんなことは考えもしないんでしょうね)
そんな配慮ができる人なら、ただギルド員と冒険者としての会話しかしたことがないクロエを、勝手に自分の恋人だと言わないだろう。
自分勝手で危険な人間は、早く捕縛しないと犠牲者が増えるだけだ。
「それで、移民の人たちは、どこに?」
「どうやら、スラム街の奥に隠れているようだ」
「スラム……」
やはりここにも、スラム街はあるらしい。
サージェを含む移民たちは、おそらく宿に泊まる余裕もないようで、まっすぐにそちらに移動していた。
「じゃあ、エーリヒもスラムに向かうの?」
「状況を知りたいから、まず同行している移民に話を聞くつもりだ。サージェが虚言癖のある凶悪な逃亡犯だと理解してくれたらいいが」
サージェだけを捕まえようとしても、彼の嘘に騙されて同情している移民たちが、妨害する恐れがある。
エーリヒとしても、向こうが攻撃してきたら、反撃しないわけにはいかない。
そうならないためにも、最初に移民たちの誤解を解き、ついでに今のサージェの様子も探りたいようだ。
「だったら……」
相手が移民ならば、見た目は貴族にしか見えないエーリヒが聞いても、素直に答えてくれない気がした。
「女性もいるなら、私も同行して話を聞いてみるわ」
黒髪のクロエは、見た目は移民である。
「駄目だ。スラムは危険だから」
けれどエーリヒは、即座に否定した。
(きっと、そんなことは考えもしないんでしょうね)
そんな配慮ができる人なら、ただギルド員と冒険者としての会話しかしたことがないクロエを、勝手に自分の恋人だと言わないだろう。
自分勝手で危険な人間は、早く捕縛しないと犠牲者が増えるだけだ。
「それで、移民の人たちは、どこに?」
「どうやら、スラム街の奥に隠れているようだ」
「スラム……」
やはりここにも、スラム街はあるらしい。
サージェを含む移民たちは、おそらく宿に泊まる余裕もないようで、まっすぐにそちらに移動していた。
「じゃあ、エーリヒもスラムに向かうの?」
「状況を知りたいから、まず同行している移民に話を聞くつもりだ。サージェが虚言癖のある凶悪な逃亡犯だと理解してくれたらいいが」
サージェだけを捕まえようとしても、彼の嘘に騙されて同情している移民たちが、妨害する恐れがある。
エーリヒとしても、向こうが攻撃してきたら、反撃しないわけにはいかない。
そうならないためにも、最初に移民たちの誤解を解き、ついでに今のサージェの様子も探りたいようだ。
「だったら……」
相手が移民ならば、見た目は貴族にしか見えないエーリヒが聞いても、素直に答えてくれない気がした。
「女性もいるなら、私も同行して話を聞いてみるわ」
黒髪のクロエは、見た目は移民である。
「駄目だ。スラムは危険だから」
けれどエーリヒは、即座に否定した。


