そろそろこの宿ともお別れだ。
食事も美味しいし、居心地も良かった。
しかも、お風呂も入り放題である。
少しだけ、名残惜しい。
そう思いながら、クロエは手にしていた本を閉じて、エーリヒに話しかける。
「もうわざわざサージェを追う必要もないくらいね」
今さらサージェを捕縛しなくとも、エーリヒの名声は充分高まっている。
「クロエのお陰だ。でも、あの男とは決着をつけておきたいからね」
窓の傍に座り、剣の手入れをしていたエーリヒは、そう言って外を見つめた。
時刻は夕刻で、そろそろ夕食の時間である。
今日はどんなメニューだろうと考えながら、クロエは首を横に傾げた。
「決着?」
「たとえ目の前にいなくとも、クロエと二度と会うことがなかったとしても、自分のほうがクロエにふさわしいなどと思われるのは、不愉快だからね。そんなことを思えなくなるくらい、徹底的に潰しておかないと」
「そ、そっか……」
クロエは最初からサージェのことは相手にしていないし、むしろまったく話を聞かない彼は、嫌いな部類の人間である。
サージェはクロエに好意を持っているのではなく、自分のために利用したいだけだ。
しかも今の状況を、クロエのせいだと思っているだろう。
(間違いなく、自業自得なんだけどね……)
勝手に暴走した挙げ句、責任を押しつけられたらたまらない。
たしかにエーリヒの言うように、きちんと妄想と事実の違いを教えてあげたほうがよさそうだ。
「じゃあ、そろそろ出発する?」
「ああ。周辺の魔物退治もほとんど終わったことだし、明後日には北に移動しよう」
「うん、わかった」
食事も美味しいし、居心地も良かった。
しかも、お風呂も入り放題である。
少しだけ、名残惜しい。
そう思いながら、クロエは手にしていた本を閉じて、エーリヒに話しかける。
「もうわざわざサージェを追う必要もないくらいね」
今さらサージェを捕縛しなくとも、エーリヒの名声は充分高まっている。
「クロエのお陰だ。でも、あの男とは決着をつけておきたいからね」
窓の傍に座り、剣の手入れをしていたエーリヒは、そう言って外を見つめた。
時刻は夕刻で、そろそろ夕食の時間である。
今日はどんなメニューだろうと考えながら、クロエは首を横に傾げた。
「決着?」
「たとえ目の前にいなくとも、クロエと二度と会うことがなかったとしても、自分のほうがクロエにふさわしいなどと思われるのは、不愉快だからね。そんなことを思えなくなるくらい、徹底的に潰しておかないと」
「そ、そっか……」
クロエは最初からサージェのことは相手にしていないし、むしろまったく話を聞かない彼は、嫌いな部類の人間である。
サージェはクロエに好意を持っているのではなく、自分のために利用したいだけだ。
しかも今の状況を、クロエのせいだと思っているだろう。
(間違いなく、自業自得なんだけどね……)
勝手に暴走した挙げ句、責任を押しつけられたらたまらない。
たしかにエーリヒの言うように、きちんと妄想と事実の違いを教えてあげたほうがよさそうだ。
「じゃあ、そろそろ出発する?」
「ああ。周辺の魔物退治もほとんど終わったことだし、明後日には北に移動しよう」
「うん、わかった」


