エーリヒは貴族の養女になったクロエの婚約者なので、無事に結婚すれば貴族籍を手に入れる。だから、もう国籍獲得を目指す必要はない。でも、貴族の父親に正式に認知されていないエーリヒの身分は、不確かなものだ。
マードレット公爵家の紹介で貴族の養子になることも可能だったが、エーリヒは自分の力で地位を獲得することを選んだ。
困難な道だが、クロエの魔法でそれを手助けすることができるなら、嬉しい。
日が暮れた頃に戻ってきたエーリヒは、その日のうちにギルド員が森に赴き、討伐成功だと認証されたと教えてくれた。
「クロエのお陰で、楽に達成できた。ありがとう」
そう言われて、嬉しくなる。
「ううん。私はちょっと手助けをしただけだよ。それより、最初に魔法を失敗しまくって、ごめんね」
「……あのときは、クロエをどう説得しようか、悩んでいた」
そう正直に打ち明けられて、クロエも苦笑する。
魔導師よりも遙かに魔力が多いクロエが、体力が尽きそうになるまで魔法を連発したのに、一度も魔物に当てられなかった。
それはやはり、才能がないのだろう。
「でもそのお陰で、攻撃魔法には向いていないってわかったわ。これからは、エーリヒのサポートをしていくから」
魔法で敵を一掃することに憧れていたけれど、攻撃魔法だけが魔法ではない。
むしろ補助魔法のほうが、エーリヒの助けになれる。
「ありがとう。心強いよ。それにギルドからも、特別依頼の魔物を倒せたのなら、頼みたい依頼がたくさんあると言われた」
王都に近いこの町には、あまり強い冒険者が滞在することはないらしい。
マードレット公爵家の紹介で貴族の養子になることも可能だったが、エーリヒは自分の力で地位を獲得することを選んだ。
困難な道だが、クロエの魔法でそれを手助けすることができるなら、嬉しい。
日が暮れた頃に戻ってきたエーリヒは、その日のうちにギルド員が森に赴き、討伐成功だと認証されたと教えてくれた。
「クロエのお陰で、楽に達成できた。ありがとう」
そう言われて、嬉しくなる。
「ううん。私はちょっと手助けをしただけだよ。それより、最初に魔法を失敗しまくって、ごめんね」
「……あのときは、クロエをどう説得しようか、悩んでいた」
そう正直に打ち明けられて、クロエも苦笑する。
魔導師よりも遙かに魔力が多いクロエが、体力が尽きそうになるまで魔法を連発したのに、一度も魔物に当てられなかった。
それはやはり、才能がないのだろう。
「でもそのお陰で、攻撃魔法には向いていないってわかったわ。これからは、エーリヒのサポートをしていくから」
魔法で敵を一掃することに憧れていたけれど、攻撃魔法だけが魔法ではない。
むしろ補助魔法のほうが、エーリヒの助けになれる。
「ありがとう。心強いよ。それにギルドからも、特別依頼の魔物を倒せたのなら、頼みたい依頼がたくさんあると言われた」
王都に近いこの町には、あまり強い冒険者が滞在することはないらしい。


