「……本当に?」
「ああ。だから、衝撃もなかった」
彼の言うように、風の刃をまともに受けたように見えたのに、腕はもちろん、服にも傷ひとつない。
「よかった」
安堵から、思わず座り込む。
「……ごめんなさい。失敗しちゃって」
どうやら腕に魔法がかけられていなくとも、エーリヒを傷付けることはなかったようだ。
それにはほっとするが、まさか途中で反転して、こちらに向かってくるとは思わなかった。
「初めてなんだから、仕方ない。もう一度やってみたらいい」
「……うん」
また反転してきたらと思うと怖いが、実践しなければ上達もしない。
エーリヒに優しく促されて、クロエは次の魔法を使ってみることにした。
(風は、また反転してきたら怖いから……。今度は炎で)
どうやらクロエの魔法は、対象者以外が傷付くことはないようだ。
だから森に燃え移ることはないだろうと、炎の玉のようなものを放ってみる。
「えいっ」
小さいながらも熱く燃える炎の玉は、まっすぐに魔物めがけて飛んで行くはずだった。
それなのに。
「えっ?」
勢いよく飛んだ炎の玉は、魔物から大きく逸れて、そのまま木に当たって消えてしまう。
「どうして……」
魔法はきちんと出せたし、おそらく威力も問題ない。
それなのに、魔物に当てることができない。
あまりにもコントールが悪すぎて絶望するが、周りに影響がないとわかったから、何度も連続して使ってみるが、ひとつも当たらなかった。
「クロエ、そこまでだ」
むきになって連発していると、エーリヒに止められた。
「魔力を使い過ぎてはいけない」
「でも……」
まだ一発も当てていない。
「ああ。だから、衝撃もなかった」
彼の言うように、風の刃をまともに受けたように見えたのに、腕はもちろん、服にも傷ひとつない。
「よかった」
安堵から、思わず座り込む。
「……ごめんなさい。失敗しちゃって」
どうやら腕に魔法がかけられていなくとも、エーリヒを傷付けることはなかったようだ。
それにはほっとするが、まさか途中で反転して、こちらに向かってくるとは思わなかった。
「初めてなんだから、仕方ない。もう一度やってみたらいい」
「……うん」
また反転してきたらと思うと怖いが、実践しなければ上達もしない。
エーリヒに優しく促されて、クロエは次の魔法を使ってみることにした。
(風は、また反転してきたら怖いから……。今度は炎で)
どうやらクロエの魔法は、対象者以外が傷付くことはないようだ。
だから森に燃え移ることはないだろうと、炎の玉のようなものを放ってみる。
「えいっ」
小さいながらも熱く燃える炎の玉は、まっすぐに魔物めがけて飛んで行くはずだった。
それなのに。
「えっ?」
勢いよく飛んだ炎の玉は、魔物から大きく逸れて、そのまま木に当たって消えてしまう。
「どうして……」
魔法はきちんと出せたし、おそらく威力も問題ない。
それなのに、魔物に当てることができない。
あまりにもコントールが悪すぎて絶望するが、周りに影響がないとわかったから、何度も連続して使ってみるが、ひとつも当たらなかった。
「クロエ、そこまでだ」
むきになって連発していると、エーリヒに止められた。
「魔力を使い過ぎてはいけない」
「でも……」
まだ一発も当てていない。


