そんなことを考えていたクロエは、エーリヒがやや緊張感を含んだ声で名前を呼んだので、はっとして意識を切り替える。
「いたの?」
「ああ。あの大木の影だ」
凶暴な魔物が、森の入り口から姿が見える場所にいる。
「どうしてこんなに近くに……」
「なかなか獲物が来ないから、探しに出てきたのか」
いずれ森を出て、町に向かうかもしれない。
そう思うと、ここで倒さなければと強く決意する。
クロエは緊張していたが、エーリヒは探す手間が省けて好都合だと言っていた。
「まだ距離があるから、魔法を使ってみるか?」
「うん、やってみる」
クロエは、すぐに頷いた。
たしかにギルド員が話してくれたように、かなり大きく、凶暴そうな魔物だ。
でも、あれだけ大きいのなら、良い的になりそうである。
(どうしようかな……)
どの魔法を使うべきか、考えを巡らせる。
(炎……だと、森が燃えたら危険だし。ここは、風魔法かな?)
鋭い刃が、魔物に襲いかかるイメージで魔法を発動させる。
イメージした通り、鎌のような鋭い刃が複数、魔物を襲うはずだった。
「きゃっ」
「クロエ、危ない!」
魔物めがけて放ったはずの魔法。それがなぜか、途中で反転してきてこちらに向かってきて、クロエは慌てた。
クロエの前に飛び出したエーリヒが、魔法が掛けられた腕で、その攻撃をしっかりと受け止める。
「!」
きっと、クロエの掛けた魔法がエーリヒを守ってくれる。
そう思っても、思わず全身に力が入る。
「大丈夫だ」
泣き出しそうな顔をしてエーリヒに駆け寄ったクロエに、彼は優しく声を掛ける。
「魔法は俺に当たる前に、消滅した」
「いたの?」
「ああ。あの大木の影だ」
凶暴な魔物が、森の入り口から姿が見える場所にいる。
「どうしてこんなに近くに……」
「なかなか獲物が来ないから、探しに出てきたのか」
いずれ森を出て、町に向かうかもしれない。
そう思うと、ここで倒さなければと強く決意する。
クロエは緊張していたが、エーリヒは探す手間が省けて好都合だと言っていた。
「まだ距離があるから、魔法を使ってみるか?」
「うん、やってみる」
クロエは、すぐに頷いた。
たしかにギルド員が話してくれたように、かなり大きく、凶暴そうな魔物だ。
でも、あれだけ大きいのなら、良い的になりそうである。
(どうしようかな……)
どの魔法を使うべきか、考えを巡らせる。
(炎……だと、森が燃えたら危険だし。ここは、風魔法かな?)
鋭い刃が、魔物に襲いかかるイメージで魔法を発動させる。
イメージした通り、鎌のような鋭い刃が複数、魔物を襲うはずだった。
「きゃっ」
「クロエ、危ない!」
魔物めがけて放ったはずの魔法。それがなぜか、途中で反転してきてこちらに向かってきて、クロエは慌てた。
クロエの前に飛び出したエーリヒが、魔法が掛けられた腕で、その攻撃をしっかりと受け止める。
「!」
きっと、クロエの掛けた魔法がエーリヒを守ってくれる。
そう思っても、思わず全身に力が入る。
「大丈夫だ」
泣き出しそうな顔をしてエーリヒに駆け寄ったクロエに、彼は優しく声を掛ける。
「魔法は俺に当たる前に、消滅した」


