それからは、使用人や下位貴族しか力を使わないそうだが、彼女の中身は、わがままな子どものようなものだ。御しやすいと考えて、カサンドラを傀儡にして権力を狙う者もいる。
そんな人達に乗せられたカサンドラがジェスタを害さないように、アリーシャは魔法で彼から意識を逸らしている。
クロエはアリーシャと違って、魔力がある。
だからもっと強い魔法も使えるかもしれないが、それにはやはり、魔法の勉強が必要となる。
アリーシャも、それをわかってくれたようだ。
「王都から出ても、クロエは私の義妹で、マードレット公爵家の娘であることには変わりないわ。宿は、貴族用のものを使うこと。エーリヒはあなたの婚約者だけど、公爵家で正式に護衛としても雇うわ。それなら、同じ部屋でも大丈夫だから」
「……はい」
貴族用の宿は警備もきちんとしているし、何よりもエーリヒが護衛として同室できる。
さすがにまだ婚約者の状態では、貴族であるクロエとエーリヒは同じ部屋には泊まれないだろうから、その配慮は有り難い。
(貴族用の宿なんて窮屈だけれど……。我慢するしかないよね)
養女になると決めたのは、自分自身だ。
「クロエ、貴族専用の宿の食事は、とても美味しいらしい」
エーリヒが、ぽつりと耳元でそう囁いた。
「え、そうなの?」
それなら、多少窮屈でも我慢しなければ。
そう思ったのがわかったのか、エーリヒが楽しそうに笑う。
「クロエは、食べるのが好きだから」
「うう、今さら否定できない……」
でも地方には、その土地しか食べられないような美味しいものがあるだろう。
そう思うと、ますます楽しみだった。
そんな人達に乗せられたカサンドラがジェスタを害さないように、アリーシャは魔法で彼から意識を逸らしている。
クロエはアリーシャと違って、魔力がある。
だからもっと強い魔法も使えるかもしれないが、それにはやはり、魔法の勉強が必要となる。
アリーシャも、それをわかってくれたようだ。
「王都から出ても、クロエは私の義妹で、マードレット公爵家の娘であることには変わりないわ。宿は、貴族用のものを使うこと。エーリヒはあなたの婚約者だけど、公爵家で正式に護衛としても雇うわ。それなら、同じ部屋でも大丈夫だから」
「……はい」
貴族用の宿は警備もきちんとしているし、何よりもエーリヒが護衛として同室できる。
さすがにまだ婚約者の状態では、貴族であるクロエとエーリヒは同じ部屋には泊まれないだろうから、その配慮は有り難い。
(貴族用の宿なんて窮屈だけれど……。我慢するしかないよね)
養女になると決めたのは、自分自身だ。
「クロエ、貴族専用の宿の食事は、とても美味しいらしい」
エーリヒが、ぽつりと耳元でそう囁いた。
「え、そうなの?」
それなら、多少窮屈でも我慢しなければ。
そう思ったのがわかったのか、エーリヒが楽しそうに笑う。
「クロエは、食べるのが好きだから」
「うう、今さら否定できない……」
でも地方には、その土地しか食べられないような美味しいものがあるだろう。
そう思うと、ますます楽しみだった。


