しかも彼女は、エーリヒに執着していた。
僅かな違和感でも気が付き、エーリヒを隠そうとした魔法が、自分と同じ魔女の力であると感づいてしまう可能性がある。
クロエが魔導師ではなく、魔女だと認識されてしまうのが、一番怖い。
エーリヒはそう言って、クロエの安全のために、自分はそのままでいいと言ったのだ。
(たしかに、まだ魔法を使い始めたばかりの私では、もう何年も魔女として、思いつくまま力を使っていた王女には、勝てないかもしれないけど……)
今はとにかく経験を積んで、王女カサンドラにも勝てるように、練習するしかない。
それには実践が一番だろう。
エーリヒが依頼を受けて王都の外に出るようになったら、クロエも同行して、できるだけ魔法を使ってみようと決意する。
アリーシャの覚悟を疑っていたわけではないが、マードレット公爵家の実権を握っているのは、彼女の父である。
複雑な手続きもあるだろうし、実際に身分証を手にするのは、もっと先のことだと思っていた。
でもそんな心配に反して、翌日にはクロエとエーリヒの身分証が届けられた。
ギルドに所属していたときとは違い、王都の外にも出ることができるものだ。
(これが、身分証かぁ)
身分証は、腕輪の形になっていて、色や細工で身分を示すようだ。
(何となく、免許証みたいなものを想像していたけど、これならなくす心配もなさそう)
クロエが貴族だった頃には、こんな身分証はなかった。
以前のクロエやアリーシャのような上位貴族には、必要ないようだ。けれどクロエのような養女になった者や、下位貴族には必須らしい。
僅かな違和感でも気が付き、エーリヒを隠そうとした魔法が、自分と同じ魔女の力であると感づいてしまう可能性がある。
クロエが魔導師ではなく、魔女だと認識されてしまうのが、一番怖い。
エーリヒはそう言って、クロエの安全のために、自分はそのままでいいと言ったのだ。
(たしかに、まだ魔法を使い始めたばかりの私では、もう何年も魔女として、思いつくまま力を使っていた王女には、勝てないかもしれないけど……)
今はとにかく経験を積んで、王女カサンドラにも勝てるように、練習するしかない。
それには実践が一番だろう。
エーリヒが依頼を受けて王都の外に出るようになったら、クロエも同行して、できるだけ魔法を使ってみようと決意する。
アリーシャの覚悟を疑っていたわけではないが、マードレット公爵家の実権を握っているのは、彼女の父である。
複雑な手続きもあるだろうし、実際に身分証を手にするのは、もっと先のことだと思っていた。
でもそんな心配に反して、翌日にはクロエとエーリヒの身分証が届けられた。
ギルドに所属していたときとは違い、王都の外にも出ることができるものだ。
(これが、身分証かぁ)
身分証は、腕輪の形になっていて、色や細工で身分を示すようだ。
(何となく、免許証みたいなものを想像していたけど、これならなくす心配もなさそう)
クロエが貴族だった頃には、こんな身分証はなかった。
以前のクロエやアリーシャのような上位貴族には、必要ないようだ。けれどクロエのような養女になった者や、下位貴族には必須らしい。


