もしクロエが前世を思い出さなかったら、王女に囚われたエーリヒはクロエを追うこともできなかった。ひとりで王都に飛び出したクロエは、おそらくアリーシャたちの予想通り、死んでいただろう。
そしてエーリヒも、以前彼が言っていたように、クロエを傷付けたキリフを手に掛けて、処罰されていたに違いない。
クロエが前世を思い出し、魔力に目覚めなかったら、確実にそんな未来になっていた。
それなのに父もキリフも、以前と変わらない暮らしを続けている。
エーリヒが許せないと思うのも、少し理解できる。
「たとえ生まれた国は違っていても、魔女は皆、私たちの仲間です。大切な仲間をそんな目に遭わせた人たちを、許すことはできない。血生臭いことは望みませんが、相応の処罰を希望するつもりです」
リーノは、きっぱりとそう言った。
ジェスタは、どんな回答をするのだろう。
そう思って見守っていると、ジェスタはリーノに対して頭を下げる。
「そのクロエ嬢の元婚約者は、私の異母弟です。異母弟が、取り返しのつかないことをしました」
ジェスタと一緒に、アリーシャも頭を下げる。
ふたりとも、クロエとはほとんど関わっていない。それなのに、クロエのために謝罪してくれた。
誠実な人たちだと、あらためて思う。
「おふたりは、この件には関与していないのでしょう?」
クロエの表情でそれを悟ったのか、リーノの言葉も柔らかくなる。
「ですが、身内のことです。異母弟には、必ず罰を受けさせます」
「そうですか。できれば言い逃れのできないように、大勢の人たちが集まる場所で、その罪を認識してほしいと思っています」
「大勢、ですか?」
そしてエーリヒも、以前彼が言っていたように、クロエを傷付けたキリフを手に掛けて、処罰されていたに違いない。
クロエが前世を思い出し、魔力に目覚めなかったら、確実にそんな未来になっていた。
それなのに父もキリフも、以前と変わらない暮らしを続けている。
エーリヒが許せないと思うのも、少し理解できる。
「たとえ生まれた国は違っていても、魔女は皆、私たちの仲間です。大切な仲間をそんな目に遭わせた人たちを、許すことはできない。血生臭いことは望みませんが、相応の処罰を希望するつもりです」
リーノは、きっぱりとそう言った。
ジェスタは、どんな回答をするのだろう。
そう思って見守っていると、ジェスタはリーノに対して頭を下げる。
「そのクロエ嬢の元婚約者は、私の異母弟です。異母弟が、取り返しのつかないことをしました」
ジェスタと一緒に、アリーシャも頭を下げる。
ふたりとも、クロエとはほとんど関わっていない。それなのに、クロエのために謝罪してくれた。
誠実な人たちだと、あらためて思う。
「おふたりは、この件には関与していないのでしょう?」
クロエの表情でそれを悟ったのか、リーノの言葉も柔らかくなる。
「ですが、身内のことです。異母弟には、必ず罰を受けさせます」
「そうですか。できれば言い逃れのできないように、大勢の人たちが集まる場所で、その罪を認識してほしいと思っています」
「大勢、ですか?」


