「もちろん、命を奪うようなことはしないわ。ただ、自分たちが虐げ、失ってしまったものがどれだけのものだったのか。それを思い知らせるだけよ」
それに、と今度はクロエに視線を向ける。
「あなたにも、やろうと思っていることがあるでしょう?」
「……はい」
否定せずに、クロエは頷いた。
カサンドラを、あのままにはしておけない。
エーリヒと魔物退治の旅をしてきて、クロエも魔法を使い慣れてきた。魔力も増えているので、今なら実行できる。
「私の存在を利用すればいいわ。理由が必要となるでしょう?」
リーノは、クロエがやろうとしていることを、すべて知っているようだ。
サージェの件を詳しく話したから、そこから察してくれたのかもしれない。
「でも、リーノさんにご迷惑を……」
「私なら大丈夫。むしろ私でなければ、大問題になってしまうでしょう」
事情を知らないエーリヒが、心配そうにクロエを見ている。
大丈夫だと言う代わりに、その手を握りしめた。
「でもこの計画を実行したら、もう元には戻れない。それでもいいの?」
「はい」
クロエは迷うことなく頷いた。
「もうあの人たちを、家族とは思えません。私にはエーリヒがいてくれたら、それで充分です」
自分たちが虐げ、追い詰めて失踪したメルティガル侯爵家の娘クロエ。
そのクロエが、カサンドラなどよりもよほど価値のある、『本物の魔女』だったと知ったら、彼らはどうするだろう。
何としても探し出そうとするだろうが、もうクロエは亡くなっていることにする予定である。
失ったものの大きさに、きっと愕然とするだろうが、それだけではない。
それに、と今度はクロエに視線を向ける。
「あなたにも、やろうと思っていることがあるでしょう?」
「……はい」
否定せずに、クロエは頷いた。
カサンドラを、あのままにはしておけない。
エーリヒと魔物退治の旅をしてきて、クロエも魔法を使い慣れてきた。魔力も増えているので、今なら実行できる。
「私の存在を利用すればいいわ。理由が必要となるでしょう?」
リーノは、クロエがやろうとしていることを、すべて知っているようだ。
サージェの件を詳しく話したから、そこから察してくれたのかもしれない。
「でも、リーノさんにご迷惑を……」
「私なら大丈夫。むしろ私でなければ、大問題になってしまうでしょう」
事情を知らないエーリヒが、心配そうにクロエを見ている。
大丈夫だと言う代わりに、その手を握りしめた。
「でもこの計画を実行したら、もう元には戻れない。それでもいいの?」
「はい」
クロエは迷うことなく頷いた。
「もうあの人たちを、家族とは思えません。私にはエーリヒがいてくれたら、それで充分です」
自分たちが虐げ、追い詰めて失踪したメルティガル侯爵家の娘クロエ。
そのクロエが、カサンドラなどよりもよほど価値のある、『本物の魔女』だったと知ったら、彼らはどうするだろう。
何としても探し出そうとするだろうが、もうクロエは亡くなっていることにする予定である。
失ったものの大きさに、きっと愕然とするだろうが、それだけではない。


