婚約破棄されたので、好きにすることにした。王城編

(やっぱりこうしてふたりで一緒に過ごす時間が、一番幸せかもしれない)
 その夜はひとつのベッドで、寄り添い合いながら眠った。

 翌朝、エーリヒはギルドに用事があるらしく、クロエの用意した朝食を食べて、早々に出かけて行った。
 その後、クロエはリーノとゆっくりと朝食を食べる。
「このパン、柔らかい……」
「スープも絶品ですね」
 エーリヒの分もふたりで食べて、それからまた応接間で魔女と魔法の話をする。
「クロエさんが使った、病気にならない魔法の話をもっと聞かせてくれる?」
「もちろんです。ただ、無意識に使ってしまったので、あまり参考にならないかもしれません」
 風邪を引いたクロエは、エーリヒに看病してもらっていた。
 そこで楽しみにしていた外出の予定を延期すると言われてしまい、クロエは、もう絶対に病気にならないから、と宣言してしまう。
「これから病気にならないってことは、病気を予防するということ。私の求めている病気を治す魔法ではないけれど、予防できるなら、それも大事なことよね」
 それから問われるままに、エーリヒの右腕のことも話す。
 魔物の攻撃を受け止めても傷付かない。
 サージェの全力の魔法攻撃を受けても、平気だった。
「物理攻撃も、魔法攻撃も効かないなんて。よほど強い守護魔法をかけたのね」
 リーノはそう感心していた。
「それにしても、病気の予防ね。とても良い方法だと思うけれど、子どもの間、まったく病気にならなかったとしたら、それも少し問題かもしれないし……」
 リーノは考え込んでいた。
 その横顔は真剣で、彼女がこの魔法に真摯に取り組んでいることがわかる。