「この宿だって、馬車だって、あなたを守るために必要なものよ。王太子たちにとって、あなたは切り札。何としても守らなくてはならないわ。残念ながらこの国は、あまり治安が良くないから、警備のきちんとしたところに泊まるのは、あなたの婚約者の負担を減らすことにも繋がる。それにマードレット公爵家なら、これくらいの出費は問題ないと思うし」
そう、もしクロエたちが普通の安宿に泊まったりしたら、エーリヒは一晩中、見張りをしてくれるだろう。
エーリヒを守るため。
そう思うと、納得することができた。
「ありがとうございます。吹っ切れました」
笑顔でそう言うと、リーノも笑顔で頷く。
「当事者では見えていないこと。わからないことは、必ずあるから。だから、何でも話して。私もこの使命について、煮詰まったらあなたに相談するわ」
姿は十歳の少女でも、実年齢は二十五歳だというリーノは、まるでクロエの姉のように優しくそう言ってくれた。
「はい。そのときは任せてください」
クロエもそう答える。
「それに、高級宿って食事が美味しいのよね。このサンドイッチ、絶品だわ」
リーノも食べることが好きだったようで、クロエは全力で頷く。
「本当に。もうひとつ食べたいくらいです」
「追加、頼む?」
そう聞かれて、もちろんと答える。
ふたりで思う存分食事を楽しみ、美味しい食べ物の話で、すっかり意気投合してしまった。
翌日、借りた馬車に乗って、次の町に向かう。
リーノが同乗しているのでエーリヒのことが心配だったが、自分からは会話しないものの、嫌な顔もせずに普通に過ごしていた。
そう、もしクロエたちが普通の安宿に泊まったりしたら、エーリヒは一晩中、見張りをしてくれるだろう。
エーリヒを守るため。
そう思うと、納得することができた。
「ありがとうございます。吹っ切れました」
笑顔でそう言うと、リーノも笑顔で頷く。
「当事者では見えていないこと。わからないことは、必ずあるから。だから、何でも話して。私もこの使命について、煮詰まったらあなたに相談するわ」
姿は十歳の少女でも、実年齢は二十五歳だというリーノは、まるでクロエの姉のように優しくそう言ってくれた。
「はい。そのときは任せてください」
クロエもそう答える。
「それに、高級宿って食事が美味しいのよね。このサンドイッチ、絶品だわ」
リーノも食べることが好きだったようで、クロエは全力で頷く。
「本当に。もうひとつ食べたいくらいです」
「追加、頼む?」
そう聞かれて、もちろんと答える。
ふたりで思う存分食事を楽しみ、美味しい食べ物の話で、すっかり意気投合してしまった。
翌日、借りた馬車に乗って、次の町に向かう。
リーノが同乗しているのでエーリヒのことが心配だったが、自分からは会話しないものの、嫌な顔もせずに普通に過ごしていた。


