「使命って、不思議ね。私にそんなことができるはずがないって思うのに、それでも諦める気にならないの」
自分だけが幸せになることはできない。
貴族だけが優遇されるこの国を、何とかしたい。
そう思って行動してきたのも、きっとこの使命によるものなのだろう。
「クロエの意思ではないのか?」
「ううん。根底にあるのは、私の意思。だからこそ、諦められないのだと思う」
「そうか」
エーリヒは納得したように頷いて、クロエの黒髪を優しく撫でる。
「以前も言ったように、この国がどうなろうが、興味はなかった。だが……」
エーリヒは言葉を選ぶように、視線を巡らせる。
クロエはそっと、エーリヒの手を握る。
自分の気持ちを話していいのだと、応援するように。
「王都の外に出てみて、そしてジーナシス王国の出身だという彼女の話を聞いて、俺もこの国は歪んでいる、と思うようになった。この国を変えるのがクロエの使命だとしたら、魔女の伴侶として、俺もできることは何でもする。それに、クロエはひとりではない。王太子殿下や、アリーシャ嬢もいる。だから、一緒に頑張っていこう」
胸が詰まって、すぐには答えることができなかった。
エーリヒは以前、誰も信じていない、クロエ以外はどうでもいいと言っていた。
アリーシャのことも王太子のことも信じず、むしろ警戒していた。
そんなエーリヒが、一緒に頑張ろうと言ってくれた。
クロエ以外の人を、味方であると認識してくれた。
それが、何よりも嬉しい。
「……うん。そうね」
涙が出そうになったが、ここは笑顔で言いたい。
クロエはエーリヒを見上げて、微笑む。
自分だけが幸せになることはできない。
貴族だけが優遇されるこの国を、何とかしたい。
そう思って行動してきたのも、きっとこの使命によるものなのだろう。
「クロエの意思ではないのか?」
「ううん。根底にあるのは、私の意思。だからこそ、諦められないのだと思う」
「そうか」
エーリヒは納得したように頷いて、クロエの黒髪を優しく撫でる。
「以前も言ったように、この国がどうなろうが、興味はなかった。だが……」
エーリヒは言葉を選ぶように、視線を巡らせる。
クロエはそっと、エーリヒの手を握る。
自分の気持ちを話していいのだと、応援するように。
「王都の外に出てみて、そしてジーナシス王国の出身だという彼女の話を聞いて、俺もこの国は歪んでいる、と思うようになった。この国を変えるのがクロエの使命だとしたら、魔女の伴侶として、俺もできることは何でもする。それに、クロエはひとりではない。王太子殿下や、アリーシャ嬢もいる。だから、一緒に頑張っていこう」
胸が詰まって、すぐには答えることができなかった。
エーリヒは以前、誰も信じていない、クロエ以外はどうでもいいと言っていた。
アリーシャのことも王太子のことも信じず、むしろ警戒していた。
そんなエーリヒが、一緒に頑張ろうと言ってくれた。
クロエ以外の人を、味方であると認識してくれた。
それが、何よりも嬉しい。
「……うん。そうね」
涙が出そうになったが、ここは笑顔で言いたい。
クロエはエーリヒを見上げて、微笑む。


