婚約破棄されたので、好きにすることにした。王城編

「もちろんよ。家族とか身内なら、同席しても大丈夫だから。婚約者なら、これから家族になるのでしょう?」
「そうです」
 クロエはそう答える。
 エーリヒはもう、家族も同然だ。
「まず、あなたにも名乗っておくわ。私はジーナシス王国の八番目の魔女、リーノよ」
「八番目?」
「私はジーナシス王国にいる現役の魔女のうち、八番目に生まれた魔女なの。だから、八番目。そして私たち魔女には、必ず果たさなくてはならない使命がある。それを果たすために、魔女は自分の力を使わなくてはならない」
 聞きたいのは、その使命についてだ。
 クロエはそっと手を挙げる。
「その使命について、伺ってもよろしいでしょうか?」
「ええ、もちろん」
 リーノはにこやかに頷いた。
「魔女は、それぞれ使命を持って生まれてくるの。私は、病を治せる魔法を開発すること」
 その使命を果たすために、リーノは世界各国を回っているそうだ。
 その私が、病気で倒れるなんてね、とリーノは笑った。
「はっきりと言葉で受ける啓示じゃないから、少しわかりにくいのよ。ただ本人がどうしても拘ってしまうこと。そうすると不都合があるのに、やらずにはいられない。そんなものが、魔女にとっての使命なの」
 病は、魔法では治せない。
 そうわかっているのに、リーノはどうしてもその魔法を開発したかった。
 無駄だと何度も言われた。
 でも何度失敗しても取り組むリーノの姿を見て、年上の魔女が、それが使命であると教えてくれたのだと言う。
「まだ完璧ではないけれど、少し症状を軽減させるくらいなら、できるようになってきたのよ」
「私には……」