「どうした?」
「あっちの道に、誰かが倒れているの!」
そう言うと、急いで駆け寄る。
エーリヒもすぐに、クロエに続いた。
昨日と同じように、土を踏み固めただけの簡素な道に、ひとりの少女が倒れていた。
色素の薄い金色の髪に、白い肌。
見かけだけなら貴族の子どものように見えるが、こんなところにひとりでいるはずかない。それに、クロエと同じように、冒険者風の服装をしている。
北方からの移民なのかもしれない。
そうだとしても、子どもがひとりでいるのは不自然だ。
「とにかく、手当をしないと」
熱が出ているのか、赤い頬をして苦しそうに息をする少女を自分のローブで包んで抱き上げた。
案の定、とても熱い。
「俺が運ぶ」
たとえ華奢な少女でも、クロエが運ぶには少し不安定で、それを察したエーリヒが抱き上げてくれた。
「ありがとう」
「クロエが転んで怪我でもしたら、大変だから」
そう言いながらも、慎重に彼女を運んでくれた。
だが目的地の町では、入り口に警備兵が立っており、病気の少女を連れたクロエたちの立ち入りを拒否した。
「周辺の移民の集落で、熱病が流行っているって話だ。この町に、そんなものを持ち込まれたら困るんだよ」
「そんなものって……」
少女をもの扱いする警備兵の男に、クロエは絶句した。
少女にローブを渡してしまったので、今のクロエは顔を隠していない。
男の怒鳴り声にこちらを見た人たちも、クロエの移民風の容貌を見て、嫌な顔をする。
「また移民だわ」
「警備兵がいてくれて、本当によかったわね」
彼女たちは、病気で苦しんでいる少女を見ても、何も思わないのだろうか。
「あっちの道に、誰かが倒れているの!」
そう言うと、急いで駆け寄る。
エーリヒもすぐに、クロエに続いた。
昨日と同じように、土を踏み固めただけの簡素な道に、ひとりの少女が倒れていた。
色素の薄い金色の髪に、白い肌。
見かけだけなら貴族の子どものように見えるが、こんなところにひとりでいるはずかない。それに、クロエと同じように、冒険者風の服装をしている。
北方からの移民なのかもしれない。
そうだとしても、子どもがひとりでいるのは不自然だ。
「とにかく、手当をしないと」
熱が出ているのか、赤い頬をして苦しそうに息をする少女を自分のローブで包んで抱き上げた。
案の定、とても熱い。
「俺が運ぶ」
たとえ華奢な少女でも、クロエが運ぶには少し不安定で、それを察したエーリヒが抱き上げてくれた。
「ありがとう」
「クロエが転んで怪我でもしたら、大変だから」
そう言いながらも、慎重に彼女を運んでくれた。
だが目的地の町では、入り口に警備兵が立っており、病気の少女を連れたクロエたちの立ち入りを拒否した。
「周辺の移民の集落で、熱病が流行っているって話だ。この町に、そんなものを持ち込まれたら困るんだよ」
「そんなものって……」
少女をもの扱いする警備兵の男に、クロエは絶句した。
少女にローブを渡してしまったので、今のクロエは顔を隠していない。
男の怒鳴り声にこちらを見た人たちも、クロエの移民風の容貌を見て、嫌な顔をする。
「また移民だわ」
「警備兵がいてくれて、本当によかったわね」
彼女たちは、病気で苦しんでいる少女を見ても、何も思わないのだろうか。


