クロエは急いでエーリヒに駆け寄って、返り血を浴びたエーリヒの顔を、ハンカチで丁寧に拭く。
「あの状態で反撃するなんて思わなくて……」
「いや、クロエが声を掛けてくれなかったら、まともに攻撃を受けていたかもしれない。俺には見えなかった。それに、この右腕のお陰で助かった」
「一応、見せて」
そう言うと、エーリヒはクロエに右腕を差し出した。
サージェの渾身の魔法攻撃も受け止めたエーリヒの右腕は、傷ひとつない。どうやら大丈夫そうだと、安堵する。
「それにしても、どうして私にだけ見えたのかしら」
考えられるのは、クロエが魔力を持っていたからだ。
「まさか、魔法を使っていたのか?」
「そうだとしたら、厄介だね」
魔法を使う魔物など、今まで発見されたことがない。
(向こうでは、猿とか知能が高いって言われていたけれど、この世界の魔物もそうなのかな?)
この国では、人間でも魔法を使えるのは少数である。
それなのに魔物が魔法を使い出したら、対応できる人間は限られている。
ギルドに戻り、それを報告すると、案の定大騒ぎになった。これからエーリヒが倒した魔物を回収し、その分析に取りかかるようだ。
おそらくこの件で、魔法の重要性がますます高まる。
魔石の価値も高騰するかもしれない。
そして、魔術師ではなく魔導師を捕縛し、魔法を使う魔物を倒したエーリヒの名声も、さらに高まっただろう。
この依頼の事後処理や手続きのために、それから二、三日ほどこの町に滞在しなくてはならない。
その間クロエは、町を歩き回ってみたり、アイテムボックスに入れておく食材や薬を買い込んだりした。
「あの状態で反撃するなんて思わなくて……」
「いや、クロエが声を掛けてくれなかったら、まともに攻撃を受けていたかもしれない。俺には見えなかった。それに、この右腕のお陰で助かった」
「一応、見せて」
そう言うと、エーリヒはクロエに右腕を差し出した。
サージェの渾身の魔法攻撃も受け止めたエーリヒの右腕は、傷ひとつない。どうやら大丈夫そうだと、安堵する。
「それにしても、どうして私にだけ見えたのかしら」
考えられるのは、クロエが魔力を持っていたからだ。
「まさか、魔法を使っていたのか?」
「そうだとしたら、厄介だね」
魔法を使う魔物など、今まで発見されたことがない。
(向こうでは、猿とか知能が高いって言われていたけれど、この世界の魔物もそうなのかな?)
この国では、人間でも魔法を使えるのは少数である。
それなのに魔物が魔法を使い出したら、対応できる人間は限られている。
ギルドに戻り、それを報告すると、案の定大騒ぎになった。これからエーリヒが倒した魔物を回収し、その分析に取りかかるようだ。
おそらくこの件で、魔法の重要性がますます高まる。
魔石の価値も高騰するかもしれない。
そして、魔術師ではなく魔導師を捕縛し、魔法を使う魔物を倒したエーリヒの名声も、さらに高まっただろう。
この依頼の事後処理や手続きのために、それから二、三日ほどこの町に滞在しなくてはならない。
その間クロエは、町を歩き回ってみたり、アイテムボックスに入れておく食材や薬を買い込んだりした。


