嘘と欲求

【もう猫を何匹か殺ってそうな目してんね。人にも既に手を出してたりして】

【殺人鬼と盗撮魔が一緒にいんの? 犯罪のオンパレードじゃん】

【お前ら二人はさっさと死んだ方がいいね】

【ヤバい奴の親友になれるのはヤバい奴だけなのが証明された】

【こんなイケメンと親友なの羨ましいなと最初は思ったけど、なんか殺人欲求秘めてる犯罪者予備軍っていう噂が流れてから羨ましくなくなった。カケルさん危なそう、となったけどこっちも盗撮魔の噂が。ここまで来るとどっちもどっちすぎて何とも言えない】

【猫が無事なのかだけでも知りたい。猫好きだから、もし殺してたら絶対に許さない】

【犯罪者予備軍なら、いつか誰かが犠牲になる前にどうにか処置した方が絶対にいいと思う。まずは病院かな。行ってらっしゃい】

【シンプルに死んでほしい。犯罪者になったらもっと死んでほしい】

【ストーカー気質かもね。無駄に親友親友繰り返して、必死にアピールしようとしてる感じ。そもそも親友っての嘘なんじゃないの? 外見的な情報ばかりで、あってもいいような具体的な会話の内容とか全然ないじゃん。勝手な想像だけど】

 息が乱れた。吐きそうになった。口を押さえた。手が震えていた。まだ疑惑だったはずのものが、否定も肯定もしていないのに確信に変わっている。伊織は殺人鬼にされ、翔真は盗撮魔にされている。死ぬことまで願われている。親友自体が嘘であることにも勘付かれている。

 いいねを貰うためだけに重ねてきた醜い嘘が、ここにきて翔真に牙を剥いた。自業自得だった。自分で蒔いた種だった。

 自分のせいで、ただの被害者である伊織までもが攻撃されている。犯罪者予備軍にされ、攻撃されている。事実かどうかも定かではないのに勝手に事実にされ、攻撃されている。