そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~




「え?」

「……え?」


思わず私も聞き返していた。

な、何その返事。

…こっちが「え?」なんですけど。


「蓮、別に酔っても記憶飛ぶタイプじゃないはずだけど…」


さらっと、当たり前みたいに。
疑問ですらない調子で絢斗さんは続けた。 


………え、


でも、そこまで言ってから絢斗さんは「あ」と何かに気づいたような顔をする。


「……あー。そういうことね。」

「え、どういうことですか…?」


絢斗さんが1人で納得してるけど、いまいち状況が掴めていない。


「昨日の蓮が何をしでかしたのか知らないけど、多分全部覚えてると思うよ?」

「……えっ…!?」


頭が、追いつかない。


え、蓮、全部覚えてるの?

全部?

昨日のこと?


…でも、それにしては普段通りすぎるというか…


「え、でも……じゃあ、なんでそんな嘘……」


絢斗さんがここでわざわざ冗談を言う理由もないし、今まで蓮のそばにいた絢斗さんの言葉だ。

これが本当なら、蓮は全部覚えてて…知らないフリ、してた……?

…なんで?気まずいから?

なかったことにしたかった…?


ぐるぐると考えるけど、余計にわからなくなる。