✳︎
テントに戻ると、すぐに律が次の競技に呼ばれた。
「律!次の競技行くぞー!」
「はいはい」
律は軽く手を上げて返事をしてから、こちらを振り返る。
「無理しないでね」
「うん。ありがと」
それだけ言って、律は走っていった。
いつもみたいに軽い背中なのになぜか目で追ってしまう。
……変なの。
少しして、今度は別の気配がテントに戻ってきた。
「彩葉」
呼ばれた声に、心臓が一拍遅れて跳ねる。
振り向くと、そこに立っていたのは蓮だった。
私の顔を見るより先に、蓮の視線は真っ先に足元へ落ちる。
「足、平気か?」
「うん。捻っただけ。」
そう答えると、蓮は「……そうか」と短く呟いて、小さく息を吐いた。
それからほんの一拍。
間を置いて、ゆっくりと言う。
「さっきはありがとう」
「……」
「庇わせてごめん」
蓮の声は真剣だった。
……なのに。
なぜか、目を合わせられなかった。
視線を落としたまま言葉も返せずにいると、蓮が小さく首を傾げる気配がする。
「……?」
でも、すぐに気づかれて。
一歩、距離が縮まる。
テントに戻ると、すぐに律が次の競技に呼ばれた。
「律!次の競技行くぞー!」
「はいはい」
律は軽く手を上げて返事をしてから、こちらを振り返る。
「無理しないでね」
「うん。ありがと」
それだけ言って、律は走っていった。
いつもみたいに軽い背中なのになぜか目で追ってしまう。
……変なの。
少しして、今度は別の気配がテントに戻ってきた。
「彩葉」
呼ばれた声に、心臓が一拍遅れて跳ねる。
振り向くと、そこに立っていたのは蓮だった。
私の顔を見るより先に、蓮の視線は真っ先に足元へ落ちる。
「足、平気か?」
「うん。捻っただけ。」
そう答えると、蓮は「……そうか」と短く呟いて、小さく息を吐いた。
それからほんの一拍。
間を置いて、ゆっくりと言う。
「さっきはありがとう」
「……」
「庇わせてごめん」
蓮の声は真剣だった。
……なのに。
なぜか、目を合わせられなかった。
視線を落としたまま言葉も返せずにいると、蓮が小さく首を傾げる気配がする。
「……?」
でも、すぐに気づかれて。
一歩、距離が縮まる。

