そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~

【side蓮】





……ん……重い。


いや、“重い”っていうより──あったかい…?


ぼんやり目を開けた瞬間、

胸の上にすっぽりと収まる小さな頭が目に入った。


……は?


状況を理解するまで数秒かかった。



薄暗い部屋。

静まり返った空気。

集会のざわざわなんて嘘みたいに消えていて。

窓の外からは月明かりが差し込んでいる。



で─

俺の腕の中には、彩葉。



夢かと思って瞬きをしたけど、どうやら夢ではないらしい。

俺のシャツを指先でぎゅって掴んだまま、無防備に眠っている。


……なんでこうなってんだ。


身体を起こそうとほんの少しだけ力を入れたら、

彩葉が小さく眉を寄せて、俺の服をさらに強く掴んだ。


離れる気ゼロかよ。

……いや。

たぶん無意識なんだろうけど。



つか、頭痛ぇ。

あいつら酒飲ませやがって…。



………酒?


──ふと冷静になった途端、さっきまでの記憶が傾れ込んでくる。



酔った勢いで彩葉をソファに押し倒したこと。

「俺だけ見てろよ」なんて言ったこと。

で、そのまま寝落ちしたこと。