「蓮……?」
問いかけた途端、蓮の指先がそっと私の頬に触れた。
酔いのせいか妙に熱を帯びた視線で見つめられて、
ほんのちょっと触れられただけなのに、頬の内側からじわっと熱が広がっていく。
…だ、だめだ。私またドキドキしちゃってる。
「の、飲み物取ってくるね……!蓮も何か飲む?」
席を立とうとした、その瞬間。
がし。
蓮の手が、私の手首を掴んだ。
「え」
「どこ行くんだよ」
振り向いた私を蓮がふわりと見上げる。
掴む力は強くて、完全に離す気ゼロ。
次の瞬間、腕を強引に引かれて。
「わっ…!」
気づけば私は、蓮の膝の上に座らされていた。
……え。
え、え、え??
状況がまったく理解できないのに蓮の腕は迷いなく後ろからまわってきて、逃げ道を塞ぐみたいにぎゅっと抱き寄せられる。
「彩葉は俺の傍にいないとだめだろ?」
息がかかるぐらい近くで耳元に落ちる声が、ぞくっと背筋を撫でた。
“距離感おかしい”は今まで何度も思ってきたけど、これはもう距離云々ではなく抱きしめてる。
ぎゅっと体を包まれて、動けない。

