そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~




「つか普通に未成年に酒出してんじゃねーよ」


蓮がため息をつきながら文句を言うと、


「いや〜、若が連れてきた子だし、仲良くなりたいじゃんか。つい……!」

「ていうか若の方こそ今日ぐらい飲め飲め!久々の集会だろ〜!」


あれよあれよという間に周りが盛り上がり、
どこからともなく差し出されたグラスが

“はいよ、若!”と勢いよく蓮の前へ積まれていく。


「……んだよ。こんなにいらねぇっての」


文句を言いつつも、面倒になったのか蓮は一杯だけ口をつけた。


というか…の、飲むんだ。

…まぁでも、こういう世界で生きてるとそういうこともあるよね。


その様子を見ながら、絢斗さんが眉間を押さえてため息をつく。


「お前らいい加減にしろ。彩葉が引いてる」


「すんませーん!!」


謝りながらも、まったく反省の色はない声。


あはは……

ほんと、騒がしいけど、悪い人たちじゃない。


そんなふうにわちゃわちゃした空間を眺めていた時。

ふと隣を見ると、蓮の頬がほんのり赤いことに気づいた。


……あ、もしかして…酔ってきてる……?


いつもなら鋭い眼差しがゆるくとろんとしていて、視線が合うたびに、妙に胸が跳ねる。

蓮はテーブルに肘をついて、無造作に私を見上げて、


「……ふっ」


なぜか満足そうに笑った。


その目が静かに細められて口元がわずかにゆるむ。

普段より柔らかくて、ちょっと甘い顔。