そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~





「取られるのは嫌。彩葉の隣は俺がいい」



こんな律を見るのは初めてで。

目を逸らすことも、息を整えることもできなかった。


「…なんて、ちょっとは意識してくれた?」


そう言ってまた笑う律。

さっきからコロコロ変わる表情に、鼓動が早くなる。



「……そんなこと言われたら……意識、しちゃうに決まってるじゃん……」



こんなこと、言うつもりはなかったのに。

小さく息を飲み、視線を落とす。


「可愛い」


……今日の律、ほんとに、なんなの……!


昔から律は私をからかってきたけど、今日はいつにも増して言葉の攻撃力が高すぎる。



もう、これ以上2人きりでいてはいけない気がする。

そう思った瞬間昼休みの終わりのチャイムが鳴り、なんとか現実に引き戻された。



今日は二度もチャイムに助けられたな…。

…というか、私が聞きたかったこと何一つ聞けてないじゃん。