蓮と並んで教室に入ると、クラスメイト達は次の授業の準備をしていた。
私は席に腰を下ろし、ふぅ、と小さく息をつく。
ようやく少し落ち着いた気がした。
…と思ったのも束の間。
「彩葉〜」
後ろから呼ばれて、肩が跳ねる。
振り返ると、律が机に片肘をつきながら柔らかな笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「話したいことがあるんだけど、昼休み、時間ある?」
「彩葉は俺と先約があるから無理だよね?」
そして、私が答える前に即答する蓮。
いや、別に昼休みに約束なんて何もしてないんだけど……。
律は肩をすくめ、わざとらしく困った顔をしてみせた。
「答えるの、彩葉じゃなくて君なんだ」
蓮の目がさらに険しくなる。
静かに怒っているのが伝わってきて、蓮はまだ外面モードを保っているけれど、視線は完全に律を睨みつけている。
いつもは柔らかくて完璧な表情なのに、今は隙間なく鋭さが入っていた。
──絶対に、二人きりにはさせない。
その圧を感じつつも、昼休みはタイミングよく蓮が先生に呼ばれてしまい、私は律に導かれるまま庭へ出ることに…。
…まあ、何で転校してきたのかとか、聞きたいことは色々あるし。

