【side彩葉】
式の流れが進んでいく中で、私はずっと夢を見ているみたいにふわふわしていた。
蓮と結婚して、もう数年は経っている。
それなのに、今さら「結婚する」実感が押し寄せてくるのが不思議だった。
付き合う前みたいな、手をつなぐだけで緊張していた頃に戻ったみたいでくすぐったくて、少し照れくさい。
前の方の席には、結と蒼が並んで座っていた。
結は私と同じ色のリボンを髪につけて、落ち着きなく足を揺らしている。
隣の蒼は無表情で前を見つめてるけど、漂っている空気は完全に蓮そのもので。
……子は親に似るって本当なんだな、って思う。
幼児のくせに謎の威圧感出すのやめてほしい。
式もいよいよ終盤に差しかかり、司会の声がブーケトスを告げた。
私はブーケを受け取って、振り返る。
集まった人たちの中には見知った顔がいくつもある。
神楽組の人達。
昔、 Aegisで命を預け合った人たち。
その中には、創さんに梓さん、 Aegisのボスもいる。
正直呼んでも来てくれるかはわからなかった。
でもこうして並んで立ってくれているのを見た瞬間、胸の奥がきゅっと詰まった。
呼んでよかった。
もう同じ世界には戻らないけど、
それでも、ここまでの私を作ってくれた人たちだから。

