そのキス、契約違反です。





それに、ウェディングドレスは全女子の憧れだけど、

私たちは状況が状況だったから、ずっと諦めていた。



それなのに、この前。



「身内と世話になったやつらだけでいい。式、やろう。彩葉のウェディング姿も見たい」



その一言が、どれだけ嬉しかったか。



蓮は後ろから私を抱きしめたまま、ぎゅうっと力を強めた。

肩に顎を乗せられて、距離がさらに近くなる。



「またいちゃいちゃしてる〜」



結が蒼の手を取って、小声で囁くのが聞こえた。

……小声だけど、全部聞こえてる。



「蒼、にげよ」

 

止める間もなく、二人は控え室のドアへ向かうけど。

その瞬間。

 

「失礼しま──」



ドアが開いて、声が重なった。



「あ」



結と蒼の動きがぴたりと止まった。


ドアの向こうに立っていたのは、律と音葉。


思わず蓮から距離を取った。