そのキス、契約違反です。




「っ…ちょっと、どこさわって……!」



唇を離れた蓮の瞳はほんのり熱を帯びていて。

その視線に捕まると、心臓がドクンと跳ねる。



「あいつらに、どこ触られた?」



あいつら……

黒蛇会の、ことかな…?


思い出したくない記憶が一瞬だけ脳裏を掠める。

それを見透かしたみたいに、蓮の腕に力がこもった。



「………全部俺で上書きする」



耳元で囁かれるその声に

ぞくり、と背中を何かが走った。



「えっ…ま、待って…」



上書きって、言われても…!


そうこうしてるうちにも蓮は私の服の下に手を滑らせる。

額や髪、首元にもキスで触れられて。



一つひとつが丁寧で。

というかそれ、もう上書きの域を超えてない…!?


勝手に想像してしまって顔が一気に熱くなる。

止めなきゃって思うのに、心臓の方が言うことを聞かない。