──花火大会の夜。
確かに想いは伝え合ったし、気持ちも確かめ合った。
でも…この関係に、名前はなかった。
だから今、はっきりと言葉にされて、また心臓が跳ねる。
「私で………いいの…?」
私も普通の女の子ではないけど…蓮だって、神楽組の若頭。
危険と隣り合わせに生きてきた人。
私がそばにいることでまた蓮に危険が及ぶ可能性だってゼロじゃない。
「良いに決まってんだろ。」
迷いの欠片もない声音に、胸がきゅっと締めつけられる。
「それとも、また彩葉の好きなところ全部言って欲しい?」
「そ、それは大丈夫っ…!!」
「即答かよ」
蓮がふっと笑う。
あれ、ほんとに恥ずかしかった。
「……俺さ」
少しだけ真剣な表情に戻って、蓮は私の手をぎゅっと握った。
「敷かれたレールの上をそのまま進むつもりはねぇから。神楽組は継がない」
「え…?」
「彩葉」
驚いて見上げると、真っ直ぐな視線が私を射抜く。

