Aegisを辞めるって言ったのは、本音だ。
でも、彩葉が引き止めてくれたら残る。
これも本当だ。
この話をしたのは…俺が「辞める」という選択肢を出せば、彩葉も初めて、「普通の世界」を考えるかもしれないって思ったから。
銃も拳も握らなくていい人生を。
朝、普通に起きて、普通に眠れる日々を。
裏の世界で生きることを自分の居場所だと勘違いしたまま生きて欲しくなかった。
……でも、彩葉一人をこの世界に残して俺だけ辞めるつもりなんてない。
多分、俺が少しでも引き止めてほしそうにしてたら、彩葉は迷って、きっと俺を引き止めてくれる。
だから、二択だった。
一緒に Aegisを辞めるか。
それとも、俺を引き止めるか。
こんな危険な場所に、彩葉を一人で置いていくわけがない。
俺が彩葉のそばを離れられるのは、彩葉を危険から遠ざけられる時だけだ。
……それが、蓮の隣なら。
正直、胸は痛むけど、それでもいい。
ほんと、馬鹿みたいだ。
窓の外を見つめながら、ゆっくり息を吐く。
好きだった。
今も、好きだ。
たぶん、これからも。ずっと。
それでも…もう言わない。
この想いが、彩葉が前に進むための足枷になるくらいなら。
それだけで、十分だ。
それが、世界で一番大切な人を想った、俺なりの答え。

