「……あ」
「あの時は、返せなかったけど。」
そう言った後、にこっと笑みを向けられる。
「約束。今回は守れた」
その言葉に、胸の奥がじんわりと熱くなる。
私が受け取ると、律はそれを確かめるようにほんの一瞬だけ見つめてから視線を外した。
「彩葉、なんかすっきりした顔してるね」
「え、そうかな?」
自分では分からないけど…過去と向き合って、少し整理がついたせいかもしれない。
「銃、撃った時は流石に驚いたけど」
あの時あれが実弾じゃないと知ってるのは私だけだった。
律も、蓮も、確かにあの瞬間は本気で肝を冷やしたはずだ。
「その手があったかーと思って」
でもきっと、あの時私がちゃんと銃を持てたのは、律が過去のことを話してくれたから。
律がいままでそばにいてくれたから。
「………律、ありがとうね」
「どうしたの急に」
そう言うと、律は少し意外そうにこちらを見てからふっと笑う。

