そのキス、契約違反です。




「……蓮くんが」



その一言で、心臓が跳ねる。



「多分。地下で……捕まった」



——え?


頭が、理解を拒否する。



「……地下?」



佐伯さんは、小さく頷いた。

そして扉の方を指差しながら続ける。



「銃声と騒ぎの中で裏口を見つけた。装飾の奥に隠された扉で……多分、普段は使われてない」



嫌な予感が、確信に変わる。



「扉の先は、地下。牢獄みたいな構造だった。……他にも、人がいた。捕まってる人」



……なに、それ…。


…もしかして、 Aegis(イージス)の仲間たちもそこにいるかもしれない…?



「蓮くんが前に出て……外の奴らに伝えろって、俺を逃してくれた。俺が守るべき立場なのに…」



その言葉が、胸に突き刺さる。

庇われた時の気持ちが、よくわかるから。



………蓮、また庇ったんだ。

蓮らしいというべきか、なんというべきか。