そのキス、契約違反です。





近づいてみれば、下に階段が続いている。
 

扉の奥からは微かに冷たい空気が流れてきていて、

金属と油が混じった、船底特有の臭いがした。



「……地下だね。」



碧が小さく呟いた。


ここから先は…むやみに踏み込むべきじゃない。

“見てはいけないもの”に、繋がっている可能性が高い。



——それでも。



彩葉に会うために今日ここへ来たとはいえ、神楽組としてこのオークションを調査する役目もある。


それに、少しでも情報を掴めたら、彩葉の力になれるかもしれない。



「碧」

「なに…?」

「俺が前行く」



碧が一瞬、言葉に詰まる。


……分かってる。

碧は俺の護衛だ。


でも、神楽の事情にこれ以上巻き込むわけにはいかない。



「……蓮くん、それは——」

「いいから」



言い切ると、碧は唇を噛みしめた。