そのキス、契約違反です。




…一度じゃない、何かが倒れる音。


嫌な予感がした。



………黒蛇会の情報は、俺は別の任務に時に元々掴んでいた。


まさかこのオークションに関わっているとは思わなかったけど、

あいつらの狙いは分かりきっている。



——神楽組の跡取り。


つまり、蓮だ。



神楽組は規模だけ見ればそこまで大きくない。


けれど、裏での繋がりが異常に広い。

古い血筋と、妙に太い人脈。


だからこそ、一部の組織からは目をつけられている。


……今は、最悪のタイミングだ。



視線を上げると彩葉が不安そうにこちらを見ていた。

その瞳を見た瞬間、腹が決まる。


言うしかない。



「……彩葉。黒蛇会の狙いは……神楽組だ」



彩葉の目が、わずかに見開かれる。



余計な恐怖を与えたくはない。

でも、事実は伝えなきゃいけない。



「蓮くんを……狙ってる。……もしかしたらこの騒ぎでも、危険かもしれない」



あー…やばいな。

思ったより、薬の回りが早い。