そのキス、契約違反です。





一つ一つ確認するたび、胸の奥がひりつく。


律はすぐに端末の前に座り、操作を始めた。


私は入口側に立って、廊下に耳を澄ませる。



「……あった」



律の声が、低くなる。

画面に映るのは、



オークションの進行データ、出品、落札者リスト。



「コピーできる?」

「もうしてる」



その瞬間だった。

廊下にかすかな、足音。


……この部屋を、目的地としている。


心臓が、強く脈打つ。


もしかして、やっぱり鍵かけ忘れてたから閉めにきた、とか…?


このままだと、鉢合わせる。



「っ………これ、まさか…」



律が、画面を見たまま僅かに目を見開いた。


何か想定外のものを見つけたのかもしれない。

でも、今はそれどころじゃない。