そのキス、契約違反です。




「彩葉、準備できた?」



ドア越しに律の声。



「うん。入っていいよ」



そう答えるとドアが開いて、振り返ると思わず視線が止まった。


タキシード姿の律。

仮面はまだ手に持ったまま。


余裕そうな表情は、いつも通り。



「……なに、見惚れてるの?」



私が何も言えずにいると、律が楽しそうに笑った。



「ち、違う。……久しぶりに、2人でこういう任務だって思うとなんか懐かしいなって思っただけ」



…正直、オペレーション:Luminous(ルミナス)のことを思い出してしまう不安はある。


それに、真実を知って、過去のトラウマだってまだ完全に消えたわけじゃないのに。


それでも、律との任務はいつも予測不能でいつも新鮮で面白いから。

他のことを忘れられる。



「ていうかそのドレス、スカート短くない?大丈夫?」



律がそう言いながら、私の方へ歩み寄ってくる。

一歩、また一歩。