そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~







「好き、だよ。………蓮が好き」




今度ははっきりと、花火に負けない声で言った。


花火が、次々に夜空を染める。


一瞬、蓮は何も言わなかった。

ただ、信じられないものを見るみたいに、私を見て。



「え………これ、夢?」



小さく呟いて、困ったように笑う。

……夢なわけ、ないでしょ。


それから、ゆっくり。

私の頬に両手を添える。



「………俺も好きだよ、彩葉。大好き」



小さく、笑った。

嬉しそうで、少しだけ、安心したみたいな顔。


そのまま、額が触れて。

呼吸が混じって、距離が、自然と近づいていく。


そっと、大切なものに触れるみたいに、唇が重なる。


甘くて、柔らかくて。

触れているだけなのに、熱が伝わってくる。