そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~







……っ。


両腕を支えられて、背中に蓮の胸が触れる。

ほとんど、抱きしめられているみたいで。



「力抜け」



耳元で、低く囁かれて。



「……そう。それで、真っ直ぐ」



声が近すぎて、一気に意識がそっちに持っていかれた。


引き金にかけた指から蓮の手の温度が伝わってきて。

おかげで、不思議と震えがが止まっている。


そのまま、


──バンッ。


当たった瞬間、店主が「おおっ」と声を上げた。


撃てた…

し、……当たった。



「これ当てるの難しいんだぞ〜、おめでとう。」



景品に渡されたのは、ネックレス…?

金色のチェーンに、ダイヤみたいに光る小さな石。


蓮が受け取ると、私の後ろに回った。

首元に指先が当たってくすぐったい。


息を止めた私に蓮は小さく笑って、留め具を留めた。



「似合ってる」



正面から覗き込むように、蓮は優しく笑った。


「おじさん、ありがとな」

「あいよ!彼女さん大事にな〜」


また、彼女。


心の中で叫びながらも、否定できない自分がいて。