「て、ちょっと、……なんで離してくんないの!」
腕に込められる力は、全然緩まない。
それどころか。
蓮は、にやりと笑った。
……完全に起きてる。
「間違えたっつっても」
ゆっくりと、わざとらしく顔を近づけてくる。
「相手は、お前に気がある男だぞ」
心臓が、どくんと鳴る。
「……っ」
そのまま、腰に回された腕が、軽く引き寄せられて。
距離が、ゼロになる。
布越しでも分かる体温に、昨夜の記憶が一気に蘇った。
「こんなんじゃお前、襲われても文句言えねーよ?」
「襲っ……!?」
一気に顔が熱くなる。
「もう、そういう冗談やめてよ…!」
蓮が言うと、冗談に聞こえない…っ
必死に訴えると、
蓮はまた、くすっと笑った。
「どうだかな」
指先で、私の腰を軽く押さえたまま首元に顔を埋めてくる。
この体温が、心地良いと感じてしまった。

