そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~





「も……笑いごとじゃないからっ!」


「いや、やっぱ突き飛ばせる力あんじゃねーか」



からかうように言われて、また顔が熱くなる。


でも、蓮が私を見る目は優しくて。

もう、何も考えずに、素直に蓮の気持ちを受け入れてしまいたい衝動に駆られる。



「……蓮なんて知らない!」



ぷいっと顔をそらす。

胸の鼓動が、まだ早い。

顔も、きっと真っ赤だ。



「悪かったって」



軽く笑いながら、頭をぽんと叩かれる。



逃げられない。

もう、分かってる。


どんな理屈を並べても、

どんな言葉を盾にしても。


認めるしかないところまで、来てしまった。



………私も、好きだよ。蓮。

素直にそう言えたら良かったのに。



心臓の音が、うるさいままの夜。



修学旅行はまだまだ、波乱の、連続。