そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~




蓮の唇が、頬から耳の下へ。

ゆっくり、確かめるみたいに落ちていく。


首筋に近づくにつれて、呼吸が浅くなって。

いつの間にか、私は蓮の服を掴んでいた。


でも、離して、って言う代わりに。



「……ねえっ……待って、いい加減に……!」



必死に呼びかけるけど、蓮は止まってくれない。


私が本気で拒否するまで、やめる気がない。



蓮が顔を上げて目が合った、その瞬間。

蓮の手が、私の頬を包む。


唇が近づいて…



「……っ待ってって、言ってるでしょー!」



咄嗟に、両手で胸を押した。

本気で。


自分でも驚くくらいしっかりと押したみたいで、蓮の体が後ろに飛ばされた。


はあ、はあ、と息が乱れる。


頬は熱くて、目は潤んでいて。

もう、ほんと、なんなの…!



「……ふっ」



ちらっと蓮の方に目線をやれば、くすくす、という小さな笑い声。

その表情は、どこか楽しそうで。
でも、満足げで。


こっちの気も知らないで…!