そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~






「…………キス、された」

「わお、蓮くんやるねぇ…。」



拍子抜けするくらい、音葉はあっさり言った。

驚いてる様子はあまりなくて。


「で、彩葉はどう思ったの?」


問いかけられて、胸の奥がきゅっと痛む。


「…………自分の気持ちを認めるのが、怖い」


だって、私と蓮は元々出会うはずなかったんだよ。

創さんにだって釘刺されてるし。

これがただの高校生ならよかったのに。



「…でもさ、嫌じゃなかったんでしょ?」



少し間を置いて、音葉が言う。

その言葉に私は、小さく、こくりと頷いた。


「だったらさ」


音葉は、私の手を軽く握って。



「逃げずに、ちゃんと向き合うしかないよ」



それから、今度は私の方を見て。



「それに、逃げたってもう…とっくに手遅れじゃない?」

「…え?」

「だって、こんな顔してる」



両手で顔を包まれる。

音葉は、柔らかく笑った。