そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~





「………蓮くんと、乗りたかった?」



唐突な問いかけに、思わず瞬きをした。


「え…?」


別に、蓮のことを考えていたわけではない。

むしろ今は、律のことを考えてるんだよ。



「なんか難しい顔してるから。ごめんね、勝手にじゃんけんなんて」


「蓮のこと考えてるわけじゃないよ…?」



そう返したら、律がふっと笑った。

でも、その感情は読めなくて、わからない。



「……この前。」



律は、外の景色に目線を向けたまま、ぽつりと呟いた。



「いきなり押し倒して、キスしたこと……怖がらせたよね。ほんと……ごめん」



……怖かったとは、思わなかった。

ただ、びっくりはしたけど…。


あれ以来私が律と喋る時、やけに緊張してしまっていたこと、多分バレているんだと思う。



「…でも、嫌いにはならないで欲しい、っていうか……。いや、あんなことした俺が何言ってんだって話なんだけど…」



律らしくない、弱気な声。


今日もいつも通りの律だったけど、

…あの時のこと、律も、悩んでるんだ。



「別に、嫌いになんてならないよ。」



そう伝えると、律がこちらに振り返る。


…そもそもあの状況は、多分、私にも非があるというか…。