そこは少し開けた場所になっていて。
目の前に広がったのは、静かに瞬く京都の夜景。
低い建物の合間に灯る明かりが、柔らかく連なっている。
遠くの山影と夜空の境目が曖昧で。
「綺麗……」
思わず、息みたいに零れた。
「だろ。絢斗が教えてくれた」
「絢斗さん、そんなことまで知ってるの?!」
「あいつ過保護だからな。遠出する時は下見してくれてんの」
そう言う蓮は、呆れながらも、ちょっと嬉しそう。
わざわざ下見…。
思っていた以上に、絢斗さんは蓮を大事にしているみたい。
夜の空気がひんやりと肌を撫でて、
すこし肌寒いな…と思ったその時、後ろからふわりと何かをかけられた。
──蓮が来ていた、パーカー。
「え、蓮が寒いでしょ、私は大丈夫だよ…!」
「いいから、着て。俺が連れ出したんだし」
な、なんかさっきから強引だな…。
それに、蓮が着ていたあったかさと匂いがして、蓮に包まれてるみたいで勝手にドキドキしてしまう。

