そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~






「言葉じゃ分からないなら」


視界いっぱいに、律の顔。


いつもみたいに優しく笑って、


「……教えてあげる」



唇が、触れた。



「んっ……、」


………え、…え?


息が奪われて、頭が真っ白になる。

胸の音がうるさくて、自分の心臓の音しか聞こえない。


「……っ」


唇が離れた瞬間、視界がじわりと滲んだ。



「どう?4年ぶりのキス。ちゃんと伝わった?」



……混乱してるのに。


嫌じゃ、なかった。



拒めなかった。

それが、一番の混乱だった。


律は、私の顔をじっと見て、ため息みたいに笑った。


「……ねぇ」


指先で、私の頬に触れながら。


「自分がどんな顔してるか、分かってる?」


言われて、初めて気づく。

頬が熱くて視線が定まらなくて。
息が浅くて、胸が落ち着かない。


視線を逸らしたくても、逸らせない。