そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~





夜の寮は静かだった。

照明を落とした廊下は、足音さえ吸い込んでいく。



部屋に戻って一息ついて、オペレーション:lux(ルクス)の資料を手に取った。



…また、危険な任務になるだろうな。


しばらく目を通してから、資料を机に置く。

ネクタイを緩め、結び目をほどきながら深く息を吐いた。



……もうこんな時間か。

風呂、入らなきゃ。



そう思った、その時。



コン、コン。

と、ノックの音。


一拍置いて、もう一度。



「律、起きてる?」



“もう遅いし、今日は寮に泊まっていけば?”


そう提案したのは俺だ。

けど、まさか………部屋に来るなんて思わないだろ。


返事をするより先に、ネクタイから手を離して、ドアの鍵を開けていた。