そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~





「これまで何組も送り込んだが…帰ってきていない」


淡々と告げられる事実。


「最初は君たちに頼む予定は無かった。……だが、もう手に負えない」


視線が、私と律を順に射抜く。


「君達以上のバディはいない。1ヶ月後、2人で潜入してきて欲しい」


律とまた…任務……。


彩葉(アイリス)(ソル)。やれるな?」


コードネームで呼ばれると、無意識に背筋が伸びる。

断る選択肢なんて、最初から存在しなかった。




資料を手に、会議室のソファに並んで腰を下ろした。


私は無言でページをめくり、写真と情報を目に焼き付けていく。


「どう思う、この件」


律が、いつも通りの調子で聞いてきた。


「……相当、手慣れてる」


自然と答えが口をつく。


「偽装ルートが多い。裏で情報を流してる協力者がいる可能性も高い」

「だよね。単独犯じゃない」


律は否定も驚きもせず、同じ結論をなぞった。