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Aegis本部は、今日も穏やかな風が吹いていた。
重厚な門。
その先に続く並木道。
敷地の奥に広がる庭と、規則正しく並ぶアンティーク調の建物。
普段はここにある寮で生活しているけど、今は神楽組に住み込みだからか、久しぶりに“帰ってきた”ような不思議な感覚になる。
「2人でこの道歩くの、久しぶりだね」
隣を歩く律が、穏やかにそう言った。
律にも同じく招集がかかっていたらしく、門の前で合流した。
こうして並んで歩いていると…四年間も離れていたなんて、嘘みたい。
ボスの部屋に通され、デスクの前に2人で並んで立った。
銀髪の前髪はセンターで分けられていて、耳元には大量のピアス。
無言のまま向けられる視線に、思わず息を呑む。
ちらり、と私達を見て、一言。
「久しぶりじゃねーか〜〜!!お前ら元気にやってるか〜?」
きょ、今日もすごい元気だ…。
「あ、あはは…おかげさまで」
「ボスもお元気そうで何よりです」
なんか。懐かしいなこの感じ。
「っと、せっかくのツートップ2人の再会に昔話に花を咲かせたいところだが、止まらんくなる前に本題だ。今日は、2人に頼みがあって呼んだ。」
そう言って、資料を渡される。
“ 危険レベル高
オペレーション:lux”
ぺら、とめくり、軽く内容に目を通す。
クルーズ船で行われる仮面闇オークション。
主催者の特定と確保。
……二人組が入船条件。
四年前、律と組んだ最後の任務──
オペレーション:Luminousの記憶が、嫌でも脳裏をよぎる。

