【side彩葉】
翌朝、耳元で鳴ったスマホの通知音に、浅い眠りから引き戻された。
枕元に置いたはずのスマホをベッドに横になったまま手探りで探す。
画面を覗き込んだ瞬間、眠気は一気に引いた。
表示されていたのは、
Aegis本部からの招集連絡。
……何だろう。別任務遂行中に招集なんて珍しい。
布団の中で一度だけ目を閉じる。
胸の奥にまだ残っている重たい感触を押し込めるように、ゆっくり息を吐いた。
眠い目を擦りながら身体を起こし、ベッドから降りる。
簡単に顔を洗って、髪を整えて…最低限の身支度だけ済ませた。
玄関で靴を履きながら、背後にいる絢斗さんに振り返る。
「任務中なのにすみません。蓮の護衛、お願いします」
仕事の招集とはいえ、護衛対象を一時的に離れることになる。
今日は学校も休みだし、信頼できる絢斗さんに任せるしかなかった。
「うん、蓮の事は任せて。…蓮には会っていかなくていいの?」
その一言に、ほんの一瞬だけ言葉に詰まる。
「蓮、まだ寝てますよね?…きっと、疲れてると思うので。絢斗さんから伝えてください」
…………それに、今会うと昨日のこと思い出しちゃいそうだから…
“好きだよ”
って、真っ直ぐ見つめて言われたこと。
「分かった。気をつけてね」
「はい。行ってきます」
ドアノブに手をかけた、その時。
「………彩葉ちゃん!」
呼び止められて、振り返る。

