そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~




「あー……」



吐き捨てるように続ける蓮。



「絢斗を捕まえて俺を呼び出したアイツも」



さらに一発。



「この店が情報源だったらしいな」



もう一発入れると、もう店主は完全に気絶していた。

それでも。



蓮は、殴るのをやめなかった。

無表情で淡々と殴り続ける姿は、いつもの面影なんてなくて、別人で。



────10歳の頃の私と、よく似ていた。


……蓮…。



相手が完全に動かなくなってから、ようやく絢斗さんが慌てて割って入る。


「もういい。気絶してる。」


腕を掴まれて、ぴたっと蓮は動きを止めた。



「……っ」



はっとしたように、自分の手を見る。

血に濡れた拳。

蓮は苦しそうに、息を吐いた。




——そのとき。



机の陰から、人影が飛び出すのが見えた。

そしてカチャ、という音と共に銃口が、蓮に向く。